なぜ、子どもは急に走りだすのか?
「子供」って急に走り出しますよね。
一歩一歩確かめるように歩き、疲れると抱っこをせがむ1歳。
走れるけどスピードがでない2歳。
大変なのは3歳からです。標的が定まったら急に走り出し、追いつけません。
それならばと、毎日しつこく「走らないでね!」と起こりゆる様々な危険性を伝えても結局は効果なし。この問題に、果たして解決策はあるのでしょうか…
目次
‐ゾーンってなに?
‐ゾーンの特徴3つが「急に走り出す子ども」に当てはまる!
‐どの年齢に多いのか
‐解決策はあるのか?!
‐親が子どもを守るしかない!
‐まるで『おさるのジョージ』?!
‐まとめ
ゾーンってなに?
ゾーンとは…
心理学者ミハイ・チクセントミハイによって提唱された『フロー』と呼ばれる心理学のまたの名が「ゾーン」。その他にも「ピークエクスペリエンス」「無我の境地」「忘我状態」などと呼ばれる。
ゾーンとは、人間がそのときにしてる行動に完全に浸り、精神的に集中している様や完全にのめり込んでいるような精神状態を説いている心理学のこと。
ゾーンに入る際に必要な要素として挙げられているのが、専念と集中・自己認識感覚の低下・時間感覚のゆがみ・活動に夢中になり他のニーズを無視する・成功する可能性があると信じているなどで、これらのいくつかが重なるとゾーンを経験することがあるのだそう。
ゾーンの特徴3つが「急に走り出す子ども」に当てはまる!
1.明確な目標があり、自分のしていること、達成できる見通しのあるものに取り組んでいる。
→子どもは、視界に入ったターゲット(おもちゃや遊具など興味を惹かれたもの)にゴールを定め、いち早く辿り着こうと一生懸命走る。
2.日常生活で感じているストレスや苦労を忘れ、無理のない程度の没入状態。
→子どもは没入して走り出すと、毎回親から「走らないで!」と怒られるたびに感じているストレスをすっかり忘れている。
3.自己についての意識が消失する
→子どもは、走りだすと無心。無我夢中。
この3つから分かるように「目標に向かって走る」ことに没入している子供は、大人に怒られることなど少しも問題に感じなくなってしまうのです。その証拠に「急に走ったら危ないでしょう!」と子どもに注意を促しても、本人は上の空なことが多いはずです。そしてこの経験自体が子どもにとってとても楽しいことなので「走る=疲れる」という概念はこの時の子供には存在しないのです。
どうですか?
フロー(ゾーン)の特徴と急に走り出す子どもの心理は、どこか似ています。
やはり、子どもはゾーンに入っているのかもしれません…
どの年齢に多いのか
幼稚園の送り向かいの際、子どもが急に急走り出し「とまってー!」「危ないよ!」と叫んでいるのは3~4歳の親が圧倒的に多いです。
これは3~4歳は「なんで?」「どうして?」と好奇心旺盛な時期であり、興味をもったものをもっと近くで見てみたい、触れてみたいという気持ちが溢れ出て止まらなってしもうからなのだと思います。
加え、身体能力の発達も伴うため、この年齢の子どもが走りだすとアッという間に姿が見えなくなるなんてこともしばしば。
とくにおもちゃやさんやスーパーなどでこれをされると、見つからず親は冷や汗ものですし、道路(とくに交通量のある)では危なくて仕方ありません。
解決策はあるのか?!
子育てを経験してみて思うのは、ゾーンに入っているときの子どもはほとんど無意識であり、これをとめることは不可能に近いです。だからといって、親が何も対策を打ち出さないのはナンセンスです。
子供を危険から守る対策としては…普段から交通ルールや、迷子になったときの対処法などを子どもと話し合っておくことが大切です。
成長とともに、心と体のコントロールができるようになり頭でも理解できるようになるのを待つしかないのです。私の経験では、4歳3ヶ月~5歳ぐらいになると少し落ち着きを見せ始めるので、それまでは「走らないでね」「危ないよ」と子供を洗脳するしかありません。
親が子どもを守るしかない!
解決策がないとなると、子どもの安全を守れるのは親とまわりの大人だけです。交通量が多い場所では、子どもがどんなに嫌がろうと必ず手をつなぎ、外出先で走り出したら見ていないですぐに追いかけなけいけません。
しかし大人がいくら注意していても、ふとした瞬間に子どもはいなくなります。その時の為に、ネームプレートをカバンやリストバンドなどを身に着けたり、迷子になった時の対処法を子どもと話し合っておくことは必須です。
何かあってからでは遅いですからね。
まるで『おさるのジョージ』?!
「ひとまねこざる」シリーズをご存じですか?
主人公のジョージ(サル)はまるで、人間の子供。思いついたら行動せずにはいられません。危険を顧みずチャレンジするジョージを、いつもサポートしてくれるのは仲良しの黄色い帽子のおじさんです。
この2人の関係、まさにゾーンにはいった子どもと、親の関係そのものなんです。
「ひとまねこざる」は1947年にアメリカで出版されロングセラーとなった作品。今や十数か国で翻訳され世界中で親しまれている名作です。
子どもが、夢中になること間違いなし。親にとっても、子どもの行動を理解するいい機会になること間違いなし。おすすめの絵本です。
- 発売日: 1998/08/01
- メディア: 単行本
まとめ
「急に走り出す」ということは大人になるとなかなかありません。
危険が伴わない場所では、子供には思いっきりゾーン体験をしてもらいたい、この時期にしか味わうことのできない感覚と好奇心を大切にしてもらいたいですね。この経験はきっと子どもの人生をより豊かなものにしてくれるはずです。
それに、ゾーンにはいっているのかもと考えるようになると、突然走りだす子どものゴールを親も確認するようになり、子どもに注意を促す際の会話もただ危険を指摘するだけでなく「○○が気になったの?○○は逃げないから走らなくても大丈夫よ」と子どもの目線で、何が悪いかを伝えることができます。これは「危ないからだめ」と一方的に注意するよりも効果があるはずです。
「ゾーンに入っているんだ」と考えれば子育てがより楽しいものになりますよ。
(4歳0ヶ月 「虹」)
黒子のバスケ、すきでした^^
コメントありがとうございます!
『ゾーン』
黒子のバスケで知った。
ホントにあるんだね。