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電車の魅力にどっぷりはまる子供って多いですよね。おもちゃ売り場を見れば歴然です。
わたしが子育てを通してはっきり言えるのは、子どもには電車好きが多いということ。図鑑を見て電車の種類を覚えたり、駅名を覚えたり、毎日憑りつかれたようにプラレールで遊んだり…朝から晩まで、頭の中は「電車」だけ。
電車に魅了された子どもを傍で見ていると「なんで電車が好きなんだろう?」「電車好きってなにかメリットあるのかな?」なんてふと思ったり。
今回はそんな「電車(あそび)」についてです。
目次
‐アンパンマンより電車派のなぞ
‐プラレールで直感力を身につける
‐電車好きは賢くなるチャンス
‐教育現場で注目の「新幹線学」
‐子鉄におすすめ!「足し算のうた」
アンパンマンより電車派のなぞ
みんな大好き「アンパンマン」と「ドラえもん」
長年、子ども達から愛され続けている2つのキャラクタのーに共通点があること知っていますか?
共通点は…
1 丸い見た目
2つのキャラクターに共通する容姿は、丸い顔と丸い目。この丸く、左右対称の見た目は、自然と子どもの目をひくといわれています。
そして、共通しているふっくらとしている体型(ドラえもん2頭身、アンパンマン3頭身)は、子どもと似ているため子どもが親近感を抱きやすいのだとか。
2 色合い
アンパンマンとドラえもんの鼻、何色だと思いますか?実は両方、赤なんです。赤は心理的に子どもが好きな色であることから、顔の中心である鼻を赤くすることで子供の興味を引くことができるのだとか。
それから全体の色合いをみると、アンパンマンは赤・黄・橙色、ドラえもんは青・白・赤と配色が少なく、はっきりとした色が使われているため、小さい子どもが認識しやすいんですって。
…あれ?!って思いませんか?
そうなんです。電車には、愛されキャラの特徴が見当たらないんです。丸くないし、はっきりした色合いではないし、もちろん赤い鼻だってありません。
それにもっと言えばドラえもん、アンパンマンはわかりやすいストーリーを伴って、テレビの中で動くし話すし、キャッチーなテーマソングもあります。電車には、路線に汽笛のおとや踏切…。なんだか、子どもの心理に反しているような気すらしてきますよね…
あ、電車界のアイドル「トーマス」!!少ない配色にしっかりと赤が入ってます。ばっちり丸い顔に丸い目と鼻!やはり、ここには共通点がありました。
トーマスならわかりますが、普通電車や特急列車が好きな子供の心理ってなんなのでしょう。永遠の謎です。
プラレールで直感力を身につける
プラレールは名の通りプラスチック製。収縮性がないので、線路をつなげるって意外と難しいことなんです。
線路を一周つなげることは簡単です、難しいのはそこから発展させること。複雑なコースをつくるには、線路の本数や構図がしっかり頭の中にないとできないことなんです。大人とちがって、まだ脳が柔らかい子供はそれをインスピレーションでササっとやってのけちゃうんです。
このインスピレーション(直感力)は大人になってから身に着けることは、難しいこと。プラレールはただの遊びではなく知育なのです。プラレールって指先のトレーニングになるのもいいですよね。
電車好きは賢くなるチャンス
弘田陽介准教授(福山市立大学教育学部准教授)によると「電車好きな子どもはかしこくなる」そうです。
電車が好きな子はかしこくなる – 鉄道で育児・教育のすすめ (交通新聞社新書117)
- 作者:弘田 陽介
- 発売日: 2017/12/15
- メディア: 新書
著書『電車が好きな子はかしこくなる 鉄道で育児・教育のすすめ』(交通新聞社)は、電車が好きな子どもがかしこくなる理由を、教育学・心理学の視点から解説しています。
弘田氏によれば、車両の形や色、路線名、駅名といったさまざまな情報があふれる電車の世界は、「認知能力」を高めるのに最適な環境なのだとか。
そして電車に愛着を持つこと、電車好きを応援(一緒に電車にはまる)し共感する親でいることができれば、そこから親への愛着を深めることにもなり今、世界で注目を集めている「非認知能力」の向上にもつながるのだとか。
子供が電車好きなようなら、賢く育つチャンスなんです。
認知能力とは
人間の能力には「認知能力」と「非認知能力」の2つがあります。
まず認知能力とは、知能検査で測定できる能力のこと。
それから非認知能力とは、大まかにいえば「IQ」で測ることのできる知的能力のことで、忍耐・自信・自立・自制・協調・共感など心の能力のことです。
教育現場で注目の「新幹線学」
「新幹線学」って聞いたことありますか?なんと、小学校の授業で新幹線を題材として活用する試みが進んでいるんだそうです。
TOSS(授業の指導法を研究する教育団体)がJR東海の協力のもと2015年からテキストを制作しており、テキストは ”リニア・鉄道館” のホームページから誰でもダウンロードできます。それがこちらです。
(出所:リニア・鉄道館のホームページより引用 )
そう、なんです。これなら地理が苦手だとか、勉強嫌いの子どもであっても興味を持ち知識が頭に入ってくることまちがいなしですし、楽しく授業を受けることができそうですよね。実は、教材の構成を担当した谷和樹教授(玉川大学教職大学院)によると「新幹線を通じた教育に効果があることは何年も前から知られている」とのこと。 興味がありましたら、ぜひホームページをのぞいて見てください。
そして、新幹線学はこれだけではないんです。新幹線学に含まれる研究領域は、社会科学(経済学・政治学・法学)、都市工学(環境学・地理学)など多岐にわたるそうです。
近い将来、大学の授業で「新幹線学」なんてのができたりするかもしれませんね。今後の展開が楽しみです。
子鉄におすすめ!「足し算のうた」
ポッポーという汽笛のサウンドから始まる ”くもん出版の「足し算のうた」~歌っておぼえるさんすう絵本~CDつき”
電車にのった子どもたちが歌う足し算のうたを、絵本をめくりながら聞いていきます。足し算が分からない、興味がない子どもでもはまってしまうメロディーと歌詞で構成されており、最後には、英語バージョンもついています。
1991年初版で、改訂版14刷発行と長年愛されている ”公文たしざんのうた””
おすすめです。
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 単行本
電車好きバンザイ!