興味・こだわりを通して、日常生活に子どもが自分で考える機会を
●はじめに
わたしは「オタク」という言葉が好きです。
自分の好きな事をとことん追求し熱中・没頭できることは、とても素敵なことです。
子どもの頃に興味やこだわりをもち、それをどれだけ追求することができるかが、将来的に大きな影響を与えると思います。
「うちの子は、こだわりがないの」
と言う人もいますが、こだわりの程度には個人差がありますし、その子なりの興味関心の示し方が必ずあると思います。
それを見逃さないよう、親が子どもをしっかりと観察することで、子どもの興味を広げてあげることも可能です。
そして、興味をもったことを徹底的に追求することで近い将来でいえば、勉強面においても必要な「自主性」や「集中力」を育てるともできると思っています。
目次
1.【乳児期】
●好奇心がつまった身体をつくるには?
●図鑑や絵本の活用で好奇心アップ
●集中している時は話しかけない
2.【幼児期】
●幼児期の子どもの興味・こだわりの対象になるものとは
●興味は試行錯誤の大切な時間
●子どもが興味をもったことは、親も積極的に関わる
●「なんで?」「どうして?」を大切に
3. 【まとめ】
4.【おまけ・絵本紹介】
1.【乳児期】
親が積極的に子どもに歩み寄り、たくさんの経験を与えてあげる時期。
●好奇心がつまった身体をつくるには?
子どもの好奇心を育てるうえで大切なことは乳児期の頃から、たくさんの「はじめて」の体験をさせることだと思います。
たくさんの経験を重ねた子どもは、どんなことに対しても興味を抱き、積極的に物事に取り組むことができる、いわゆる「好奇心旺盛」の子どもに育ちます。
●図鑑や絵本の活用で好奇心アップ
動物園や水族館、公園などで見たものなど…
その日体験したことを、その日のうちに図鑑・絵本で確認することで、興味を深めることはもちろん、記憶力や脳への刺激につながります。
次の日の外出先が決まっている場合は、前日に関係のある絵本を読んでからいくと、「きのう絵本でみたね」と語りかけることもでき、子どもが興味を示しやすい環境を整えてあげることができます。
●集中している時は話しかけない
乳児期の子どもが静かに遊んでいるなと思うと、ひとつのことに集中していることがよくあります。
子どもが集中しているときの脳内は、きっとシナプスが花火のように打ち上がり、キラキラしているのではないかと思います。
そんな時に “がんばれ” と声をかけたりすることは、子どもの成長を妨げてしまいます。
それよりも、子どもが物事を達成したらおもいっきり褒め、うまくいかなかった時にどんな言葉をかけれるかが大事なことだと思います。
乳児期の興味に対する集中力には、驚かされます。
↪︎ペットボトルの蓋を閉めたくて必死です
2.【幼児期】
幼児期になると、自分の意思や思考がしっかりと現れはじめます。
乳児期のときの体験を通して、「コレ!」という自分の興味を見いだし、毎日何時間でもひとつのことに執着するような行動が見られるようになります。
●幼児期の子どもの興味・こだわりの対象になるものとは
幼児期の子どもが何かにこだわっているときは「その子の興味関心」と「その子が今もっている能力」と「その子が挑もうとしている課題の難易度」の3つのバランスがとれている状態です。
この3つをクリアするものを見つけたときが子どもが興味・こだわりを発揮するときです。
↪︎好きなおもちゃのパンフレットを読みながら想像を膨らませる
●興味は、個性を引きだす大切なもの
子どもが、自ら興味・こだわりを見つけたときは、たとえ親好みのものでなくても見守り、徹底的に飽きるまでやらせることが大切です。
しかし、育児において見守ることは意外と難しいものです。
幼児期の子どもが興味・こだわりをもちはじめると、とまりません。
毎日、何時間でも同じ遊びを続けたり、公園で石やどんぐりなどを毎日拾ってきたり。
↪︎秋になると毎日ドングリ拾い
“そんなことやってないで◯◯しなさい”
“そんなガラクタばかりどうするの”
と口をはさまず見守ることは、難しいことです。
しかし考え方を変えれば、幼児期に興味があることに思いっきり没頭することは、子どもの個性にも関係してくる大切な時間だと思います。
『興味』=『個性』
と思い徹底的に興味・こだわりを追求させてあげることが大事だと考えています。
●興味は試行錯誤の大切な時間
子どもが興味・こだわりを発揮している時は、すべてが試行錯誤です。
親、先生やほかのだれかに教えてもらうのを嫌がったり、聞く耳をもたなかったり…
親からしてみれば “せっかく教えてあげてるのに無視しないでよ!” と思うかもしれません。
しかし、子どもはたとえ失敗をしたとしても「自分でやってみたい」のです。
興味・こだわりがあるからこそ “もっとうまくなるにはどうしたらいいのか” と必死に成功するまで何時間でも考える。
大人にはムダに思える時間かもしれませんが、子どもにとって試行錯誤の時間は、失敗も含め大切な時間なのだと思います。
●子どもが興味をもったことは、親も積極的に関わる
幼児期といっても1歳になりたての頃は、まだ言葉でのコミュニケーションをうまくとることができません。
子どもの表情や行動を観察し、一緒に興味を見つけることも、親の役割になります。
たとえば息子の場合は、外出時によく電車に乗せていたのですが、ある日突然、電車を指差し満面の笑みで足をバタつかせたことがありました。
親ばかかもしれませんが “この子は電車に興味があるみたい” と舞い上がり喜びました。
次の日には鉄道博物館にそして、その一週間後には我が家は、プラレールでいっぱいになっていました。
このあと3歳までプラレールにどっぷりはまったので、親の勘は間違っていなかったのだなと思っています。
●「なんで?」「どうして?」を大切に
子どもの「なんで?」はとてもやっかいです。
手が離せないときや、こちらが疲れてイライラしていることなど気にせず、質問は四方八方からとんできます。
難題も多く、親にとっては時にストレスになることもあるかもしれません。
このとき私は、すぐにしっかりと的確な答えを返してあげられなくてもいいと思っています。
この時期の子どもにとって、質問の答えが得られことはもちろん大事なことですが、なにより親子のコミュニケーションのほうが大切だと思っています。
手が離せない時でも、子どもを無視せず「今、忙しいからあとで一緒に調べよう」と伝え、時間がある時に落ちついて向かい合うことが大切だと思います。
子どもの疑問を無視すれば、その子の「なんで?どうして?」と思う頻度が減ってしまうかもしれません。
これは、とてももったいないことだと思います。
3. 【まとめ】
興味・こだわりをもったことに対して、自ら試行錯誤するという遊びは言い方を変えると、「創造的なあそび」です。
日常の遊びが創造的になっていけば、将来難しい問題に直面した時も “こうしたら解決できるのではないか” “これがダメならこうしてみよう” と工夫できる大人になれるのではないかなと思います。
子どもには、個性に応じて何かにすごく凝りたい時期や、そればかりずっとやっていたいとうう時期が必ずあると思います。
この時期の子どもと「とことん付き合うこと」
は、乳児期・幼児期の子育てをしていくうえで大切なキーワードだと考えています。
4.【おまけ・絵本紹介】
3歳までひとことも話さなかったエイダ。
毎日世界をじっと観察していました。
そしてある日突然「どうして?」と家族に疑問を投げかけます。
この世のすべてが、不思議で仕方がないエイダの質問はとまりません。
それに対する家族の答えとは。